【当記事について】
当記事はスマートフォン修理専門店スマートクール京都五条店スタッフによる水没復旧修理の記事です。修理を専門に扱うお店だからこそ見える一面もありますので、もしお暇ならお付き合いいただけると幸いです。
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本日のご依頼は【中京区】からお越しのお客様から頂きました。お風呂で使っていて浴槽に落としてしまったそうです。お風呂案件多いので、当ブログを読んでる方はご注意ください。
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水没と言っても今回のは割と軽度でした。もちろん放置すると悪化する一方なので適切な対処は必須ですが。
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数多の破損スマホを修理してきた京都五条店はイオンモール京都五条店(旧:DIAMOND CITY Hanaダイヤモンドシティ・ハナ)の中で営業しているので、非常にアクセスが容易になっております。
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【スマホが水没の主な症状】
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iPhone 11 Proは防水性能(IP68等級)を備えていますが、完全防水ではありません。長年使用した端末ではパッキンの劣化やフレーム歪みにより、水が侵入することがあります。
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今回ご依頼いただいた端末は画面が割れており、そこから水が入ったと推測できます。買い替えるので画面はそのままで水没復旧だけお願いしますとのご依頼だったので、今回は画面が割れたまま修理完了しております(画像参照)
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主な症状は以下の通り
電源が入らない、または再起動を繰り返す
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【症状の解説】
電源ボタンを押しても反応がなく、Appleロゴが点いたり消えたりを繰り返す状態。これは内部のショートや、基板上の電源回路が不安定になっている可能性が高いです。安全装置による制御だったり理由は様々ですが、かなり重症です。
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主な原因
- 水がロジックボード(基板)上の電源ICに侵入してショート
バッテリー端子・電源ラインの腐食
水分が残ったまま通電してしまい、電流が誤って流れる
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水没直後に電源を入れようとすると、この「再起動ループ」に陥ることが多く、その結果、基板が焼けて復旧が難しくなることもあります。水没したら速やかに電源を消して、修理専門店に持ってきましょう!
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画面が暗い・表示されない
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【症状の解説】
通知音やバイブは反応するのに、画面が真っ暗で何も映らない状態です。一見すると電源が入っていないように見えますが、内部では起動しているケースもあります。
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主な原因
液晶パネルやバックライト回路への水分侵入
液晶ケーブル端子(コネクタ)の腐食
バックライトICのショート
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iPhone 11 ProはOLED(有機EL)を採用しているため、一部だけ表示が薄暗くなったり、画面がチカチカする場合も水没のサイン。しかし、電気はしっかり流れている証拠でもあるので、復旧率は比較的高めです。
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タッチ操作が効かない
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【症状の解説】
画面は映っているが、スワイプやタップに反応しない症状。画面ロック解除ができない・アプリを開けないなど、操作不能になります。
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主な原因
タッチセンサー層への水分侵入
フロントガラスとOLEDパネルの間に入り込んだ湿気
画面ケーブルの接触不良
水分によるタッチICチップの腐食
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特に画面下部(充電端子付近)から水が入ると、タッチラインに影響が出やすく、部分的な反応不良として現れることがあります。映像が映っているなら復旧率は格段にアップしますが、こちらの症状では基板側に被害が出ている可能性も高く、実際に修理しないとどっちが悪いかの判断が付かない難儀な症状。
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カメラレンズや内部に水滴が見える
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【症状の解説】
背面カメラやフロントカメラに曇り・水滴が見える状態。写真が白っぽくなったり、ピントが合わなくなるなどの不具合が出ます。大体肉眼で水が見えるので、上記症状がある場合はカメラレンズを覗いてみてください。
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主な原因
カメラユニット内部に水分が侵入
外装フレームやレンズ周辺の防水パッキンの劣化
高温環境→冷却による結露(内部湿気)
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この状態を放置すると、カメラセンサーが腐食し、黒いシミ・曇り・焦点ズレが恒常的に残ることがあります。軽度なら水抜きだけで治りますが、完全に入り込んでしまっている場合はカメラユニットごとの交換が必要です。
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充電ケーブルを挿しても反応しない
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【症状の解説】
Lightningケーブルを接続しても反応せず、充電マークが出ない、または反応が途切れ途切れになる症状です。
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主な原因
充電端子(ドックコネクタ)内部への水分侵入
接点腐食やショートによる通信不良
電源ライン(PP_VBUS)が通電不良
バッテリーICや充電制御ICの破損
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ケーブルを挿して無理に通電すると、電圧がショートして基板が焼損する危険があります。水没後は絶対に充電せず、すぐに修理店で洗浄処理を行うのが安全です。
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【どこで修理するか】
修理を依頼する場合、正規店・認定サービスプロバイダを利用する方法と、イオンモールなどに入っている非正規修理店を利用する方法の2つがあります。
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正規修理
正規修理は品質・保証面で安心ですが、修理費が比較的高めで、データが消去される場合があります。融通が利かないと言うよりは修理するリスクを回避する為に端末を丸ごと取り換えるケースもあり、データが大事な場合はしっかりスタッフへ質問していきましょう。
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街の修理店
街の修理店は比較的安価で即日対応が可能なことが多く、データを残したまま修理できるケースもあります。しかし、店によっては悪い店や個人経営で雑な仕事をする場所も存在し、修理する事のリスクを理解して進める必要があります。
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修理を検討する際は、
故障の状態を正確に把握する
修理店の実績・口コミを確認する
修理後の保証内容をチェックすることが大切です。
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【水没後にやってはいけない行動】
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iPhone 11 Proが水没してしまった直後、多くの方が「とりあえず電源を入れてみる」「ドライヤーで乾かす」などの行動を取りがちですが、それが復旧を難しくする原因になります。
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ここでは、水没直後に絶対してはいけない行動を解説します。
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① 電源を入れる
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「まだ動くかも」と電源ボタンを押すのは危険です。内部に水分が残っている状態で通電すると、基板上のチップやコンデンサがショートを起こし、軽度の水没でも致命的な故障に変わってしまいます。
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ポイント:
水没後は「電源を入れない・触らない・乾かさない」が鉄則。電源を入れたい気持ちはぐっと我慢して、すぐに修理店へ行きましょう!
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② 充電ケーブルを挿す
水分が残った状態でLightningケーブルを挿すと、電流が水を伝って流れ、電源ICや充電回路が焼損することがあります。さらに、腐食が急速に進み、復旧率が大きく下がる原因にもなります。
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ポイント:
通電=水と電気の接触です。充電は乾燥・分解洗浄後、安全が確認されてから行いましょう。水は電気を通すと言うポケモン的なルールを理解しておけば問題ありません。
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③ ドライヤーで乾かす
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一見効果的に思えますが、ドライヤーの熱風は危険です。高温によって水分が奥に押し込まれたり、基板のハンダやコネクタが変形・剥離してしまうことがあります。また、内部のゴムパッキンも変形し、防水性能が完全に失われたり、二次的な被害が広がります。
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ポイント:
表面が乾いても内部は湿気だらけ。自然乾燥やエアダスターもNGです。プロは完全に分解して乾きやすい液体へ置換してから送風で乾かします。
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④ 振る・叩く・中を開けようとする
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スマホを振ったり、机に軽く叩きつけたりするのも危険です。内部の水分が他の回路やチップに広がる原因になり、逆に故障範囲を拡大してしまいます。
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さらに、自分で開けようとすると、基板を壊したり、パーツケーブルを断線させる可能性もありますので、知識がない状態で電子機器を触るのはNGです。
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ポイント:
自己分解は修理不能になるリスク大。プロの設備で「分解→洗浄→乾燥」を行うことが大切です。YouTubeでやってるのを真似するのはもちろんありですが、すべて自己責任となりますのでお気をつけて!
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⑤ 放置する
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絶対ダメです
100%壊れます。
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ポイント:
できるだけ早く、最低でも24時間以内に持ってきてください!。ぎりぎり48時間以内ならなんとか……水が入ったらすぐに修理・洗浄処置を行うのが理想です。絶対に治ることのない症状なので放置だけは厳禁。
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【スマホ以外の修理もどうぞ!】
当店では、iPhone/androidだけでなく以下のようなサポートも行っています
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- 任天堂switchの修理
- Macbookの修理
- Surfaceの修理 などなど
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メインはスマホですが、スマホ以外の精密機器も修理対象になってる場合が多いので、何か気になることがありましたらお気軽にご相談くださいませ。
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